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  • トータルペインとは

    2008年11月26日

    ホルモン療法はちょっと中休みです。

    今日は緩和ケアのことについてちょっとお話します。

    以前もお話していますが、緩和ケアとは、実は身近な治療です。

    がんの診断を受けたそのときからの、心の悩みや体のつらさを和らげる治療。

    それが緩和ケアです。

    決して末期の治療ではないのです。

    緩和ケアの考え方にトータルペインというものがあります。

    トータルペインはすなわち全人的苦痛(total pain)といいます。

    つまり、
    <身体的苦痛>
    痛み
    他の身体症状
    日常生活動作の支障

    <精神的苦痛>
    不安
    いらだち
    うつ状態

    <社会的苦痛>
    経済的な問題
    仕事上の問題
    家庭内の問題

    <霊的苦痛(スピリチュアルペイン)>
    生きる意味への問い
    死への恐怖
    自責の念

    このように、がん患者様の苦痛は多面的であり、全人的に捉えねばならないのです。

    これは、実際にはドクターや医療スタッフが分かっていなければいけないことです。

    来週は、このトータルペインを含めた内容で病院のスタッフにお伝えしてまいります。



    今日は目を開けても開けてもまぶたが落ちてきてしまいます。

    とっても重い瞼です。

    今晩はもうお休みしたいと思います。


    でも、がんの告知を受けて、病気と闘っている方のなかには、眠れずに毎日を過ごしている方もたくさんいらっしゃいます。

    その患者様方に、最高の眠りをプレゼントすること。

    それが私たちの役目です。


    そのためには、まずは医師や医療スタッフが良く休み、健全な体と精神を持っていないといけません。

    寝不足で不機嫌な医者なんて、だれも診察してほしくないですからね。

    先日も、当直の夜に患者様と御家族に言われました。

    「明日の私の手術に向けていっぱい眠っておいてくださいね。」

    当直の時によく眠れるかどうかは、神様が決めることですよね。

    幸い、その夜わたしはぐっすり眠ることができました。

    患者様の願いが届きましたね (^_^)v

    ありがとうございます。


    ↓救急医療も大事だけど、睡眠不足での診療も問題よね!とクリックをお願いします。いつも応援ありがとうございます。  昔は当たり前だった苦行のような医師の生活も、徐々に改善していかないといけませんね。もちろん患者様の安全のためにです。


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    緩和ケアチーム

    2008年10月21日

    今日は、当院の緩和ケアチーム合同カンファランスでした。

    私はチームリーダーをさせていただいておりますので、院内における緩和ケアチーム活動の反省と、今後の活動目標について話し合い、院内勉強会をたくさん開いていこうという企画をたてました。

    本日のカンファランスには、当院精神科顧問の和田秀樹先生にも御参加いただいて、緩和医療について改めて知識を深めました。

    自分は高校生の頃から受験に関する和田秀樹先生の本でお世話になっており、その勉強方法をマスターすることによって自分は医者になれたといっても過言ではありません。

    そのような先生に今、すぐ近くで御指導いただいている自分を本当に恵まれているなと感じています。

    そして、このような恵まれた環境で深めた知識を患者様のために大切に役立てていこうと思っています。

    今晩はこれから救急当番でバタバタしますので、本日はここまでにさせてくださいね。

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    がんの痛みの緩和

    2008年8月1日

    今日は、がんの痛みの緩和、すなわち緩和医療について少しお話しますね。

    緩和医療とは、癌と診断を受けた方が心の苦痛や不安、そして体の痛みやつらさが少しでも緩和されるように行うべき治療です。

    この中には、精神的なサポートや、疼痛を抑える治療が含まれます。

    毎日新聞社のMMJという小冊子に、癌性疼痛に関するアンケート結果がのっていました。

    「痛みの経験がある癌患者様のうち64%が癌性疼痛治療を受けていないと回答。

    その内訳は、
    痛みを主治医に訴えたことがない。  29%
    痛みを訴えたが、うまく伝えられなかった。  16%
    痛みを訴えたが、医師に詳しく聞かれなかった。  12%
    痛みを詳しく聞かれたが治療はされなかった。  7%」
                     
    緩和ケアや痛みのコントロールに関しては、一般的にはまだ多くの医師が苦手な分野であり、今後私たち日本緩和医療学会会員が中心となって、院内緩和ケアチームをつくりあげ、積極的に活動することによって、病院スタッフの意識改革をおこなっていかなければいけないと思っています。

     一方、癌治療に関しても常に、日本の最前線の治療についての知見を深め、積極的な低侵襲手術(腹腔鏡手術など)や入院、外来化学療法(抗癌剤治療)も行っていかねばなりません。

     少しでも多くの方が、幸せになれるよう、これからも色々とできることを着実に行ってまいりますね楽しい
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    緩和の心

    2008年7月4日

    今日も日本緩和医療学会に参加してきましたよ。

    日本緩和医療学会の会長講演がとても心に残ったのでお伝えします。

    静岡県立静岡がんセンター 緩和医療科の安達 勇先生の御講演です。

    「詩人金子みすずの詩が再評価され、感動を与えているのは、絶えずその焦点を相手側の気持ちにおく感性であろう。

    私たちにも、「医療者あっての患者ではなく、患者がいるから緩和ケアが必要とされている」の大切さを示唆しているように思われる。

    緩和ケアの視点はあくまで患者・家族であり、日常診療においてもそこから学ぶ姿勢が大切である。

    臨床腫瘍学は緩和医療の基本であり、緩和ケア医は絶えず切磋琢磨する必要がある。

    そして自らの未熟さを自覚し絶えず進化していくべきである。

    緩和とは人の心がわかる心・技なのである。」

    私はこの御講演を聴いてほっとしました。

    なぜなら自分のように癌治療を積極的にしながら、患者様の心のケアもしていきたいという医師は、まだ必ずしも多いとは言えず、自分が目指している方向性が果たして求められている医師像であるかどうかを常に考えているからです。

    会長講演のお言葉は、緩和ケア医も常に最先端の抗癌剤治療を含めた癌治療を勉強し続けるべきであることを示唆しておりました。

    今日は北茨城市で5年間お世話になった先生に偶然久しぶりにお会いして、とっても嬉しくって涙がでそうになりました。

    みんなが同じ方向に向かってがんばっているのがすごく心強いです。

    また色々なことを今後の励みにしてがんばってまいりますね楽しい


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    乳癌手術後の気持ちの落ち込み

    2008年5月4日

    乳癌の手術が無事に終了して、その後追加のいろいろな治療を受けながらも、自宅で過ごしている方の中で、次のような気持ちになられる方がいらっしゃいます。

    何もやる気がしない。誰とも話したくない。会いたくない。
    お出かけしたくない。
    何となくいつも不安な気持ちになってしまう。

    このような気持ちには、一時的には誰もがなるものですが、その中でもいつまでもこういった沈んだ気持ちになってしまう方が、時々いらっしゃいます。

    こういった場合には、私たち主治医がじっくりお話を聞かせていただくのはもちろんなのですが、時には心理療法士の先生や心療内科の先生などメンタルケアの先生に、私たちからご相談することもあります。

    こういった、癌による不安な気持ち、落ち込んだ気持ちを含めて、ケアするのが緩和ケアです。緩和ケアは決して末期の癌の方のためだけでなく、癌と診断されたすべての方(早期癌であっても)に必要なものだと思っています。

    ですから、ちょっとしたことでも悩んでいること、困っていることをまず主治医にぶつけてみてください。


    先日転勤になった看護師さんから私たち川崎幸病院外科チームあてにお手紙をいただきました。

    「他の病院で働いて改めて幸外科チームのすばらしさを知りました。お仕事がんばってください。」と書いてくださっていました。

    「何を身内の話をしているのか」、とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちが患者様に愛されるためには、まず身内から愛されなければいけないと思ってがんばっています。

    ですから今回のお手紙はとても心にしみました。

    スタッフが安心して、満足して働ける環境作りは、私たちドクターの務めであり病院の務めであると考えております。なぜならこれが結果的に、安心して患者様が診療を受けられることにつながると思っておりますから。

    これからも、患者様にも御家族にも、そして病院スタッフにも愛されるチームであるように努力してまいります。
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    緩和(かんわ)ケア

    2008年3月15日

     癌と診断されると、ひとはみんな落ち込んだり、自暴自棄になったりしてしまいます。でも癌の多くは適切な治療をすると治癒させることができます。

     乳癌の患者様の中には、若い方もたくさんいらっしゃいます。おうちで、誰にも相談できずに一人で抱え込んでしまって受診が遅れてしまうかたがいらっしゃいます。誰か、そういう方の背中を押してあげてください。

    私たち外科医は、病気を診断し、手術し、抗癌剤や放射線治療をご提案し、また心のケアや体のケアも行っています。

     もし私たちでも力が及ばない場合には、他の科の先生と連携し必ずご満足いただけるようにしたいと思っています。

     特に癌と診断されたかたは精神的にも不安定ですので、心の担当の先生にご相談する場合があります。また、看護婦さんも含めて病院やクリニックのスタッフ全員で患者様を支えていきます。それが緩和ケアです。

     緩和ケアはあなたが癌と診断された瞬間から、始まります。決して、もう治す方法がないから緩和ケアなのではありません。治る癌のかたでも、心を安定させてあげるために緩和ケアは必要です。

     もしご心配なことがございましたら、どんなささいな事でも結構ですので私たちにご相談ください。

     決して、ひとりでがんばりすぎないでくださいね。

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