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    2009年11月27日

    10分あれば一仕事できる。

    たくさんの本を執筆している先生はよくおっしゃっていますね。


    <ご質問>
    術前ホルモン療法について教えてね?

    <お答え>
    手術可能でホルモン感受性がある乳がんに対して、術前にホルモン療法が行われることがありますが、術前化学療法ほどは研究が進んでおらず、その意義を検討する臨床研究が進められています。

    現在、閉経後乳がんに対する術前ホルモン療法のデータがいくつかありますが、閉経前乳がんに対するデータは乏しいので、閉経前乳がんの人は対象になりません。

    “患者さんのための乳がん診療ガイドライン 2009年版” 日本乳癌学会編
    金原出版株式会社 より抜粋引用


    昨日は病院内のスタッフとともに緩和ケアについての勉強会を一緒にしました。

    患者さんとの会話の中で、どのようなことを思いながらお話を伺ったらよいのか。

    患者さんの心の痛みを御一緒に感じるためには、何に気をつけたら良いのか。

    みんなで一緒に考えました。

    本当は緩和ケアなんて言葉がなくても、

    医療従事者は全ての患者様の心の痛みを感じて、

    和らげて差し上げるようなことが自然にできたらいいのにな、

    って思います。


    今日はこれから北海道の先生をお招きして、

    緩和ケアに関する講演会が近くのホテルであります。


    あと10分で出発です。

    私も少し発表がありますので、

    今から発表内容をUSBに落として会場に向かいます。


    10分で発表の文章を組み立てて、見直して、

    さらにブログの更新なんて・・・

    出来るわけがありません。


    そう思ってしまったら、もう負けです。


    「無理です。」

    「出来ません。」

    「疲れた。」

    私の中にはそのような言葉はありません。


    「出来ます。」

    「何でもありません。」

    「楽勝です。」

    「元気です。」

    いつもこんな言葉を発していれば、

    皆さんも元気になれますからね。


    みんなで一緒に元気になりましょうね。


    それでは、発表に行ってきます。


    いつも慌ただしいね!
    少しゆっくりしなさいね!
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    (でも皆さんのお話はゆっくりお伺いするようにしていますからね。
     by yasuu)
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    BIG 1-98試験 その6

    2009年7月10日

    もうちょっとがんばってつきあってね。

    BIG 1-98試験 。


    Forbes先生:
    一方、レトロゾール2年投与後タモキシフェンへ変更しても、リンパ節転移の有無にかかわらず、レトロゾール単剤とほとんど差がないことが示されました。

    レトロゾールで開始してタモキシフェンに切り替えてもレトロゾール単剤と違いはなく、しかもリンパ節転移の有無にかかわらず陽性でも陰性でも差がほとんどないことは、大変興味深いことです。

    もし、レトロゾールの副作用に耐えられないならタモキシフェンに切り替えることもできますよ、と患者さんに説明することができます。

    これが新しいデータの全てです。

    “アロマターゼ阻害剤(AI)をめぐる最新報告 ―SABCS2008からー” 
    「San Antonio Breast Cancer Symposium Round Table Meeting」
    出演者:
    大阪大学大学院医学系研究科 乳腺・内分泌外科 野口 眞三郎先生
    MD Anderson Cancer Center Aman Buzdar先生
    University of Newcastle John Forbes先生
    杏林大学医学部 乳腺外科 井本 滋先生
    熊本大学大学院医学薬学研究部 乳腺・内分泌外科学分野 岩瀬 弘敬先生
    愛知県がんセンター中央病院 乳腺科 岩田 広治先生
    独立行政法人国立病院機構九州がんセンター 乳腺科 大野 真司先生
    東京医科大学 乳腺科 河野 範男先生
    聖路加国際病院 乳腺外科 中村 清吾先生
    「新薬と臨床」第58巻第3号 別冊 平成21年3月10日発行


    最近色々な所からはるばる私の外来にご訪問くださる方が増えてきて、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

    でもとっても嬉しいです。

    一人でも多くの方が笑顔でお帰りいただくのをみているのが、また私の原動力になります。

    お昼ご飯なんか食べられなくったって、みんなの笑顔をみていると、幸せで胸がいっぱいになります。

    でも、おなかはいっぱいにはならないので、

    診察中に「ぐーー」って、おなかは鳴りますけどね (^_^;)


    ところで今度、当院ではVACORAという超音波ガイド下穿刺吸引組織診の最新式の器械が導入されました。

    もともと当院では5mm程度の小さなしこりでも、私は針生検を積極的におこなって、より早期にできるだけ正確な診断を心がけてまいりました。

    このVACORAの導入により、さらに細かい腫瘤や、超音波で確認できる微細石灰化までも吸引して、より一層診断が正確になっていくものと考えています。

    またVACORAのご紹介もしていきますね。


    今日はこれから乳腺の勉強会があります。

    神奈川県内の乳腺の先生方とも交流を深めてきます。

    私たち乳腺外来の医師たちが横のつながりを持っていると、患者様たちも安心ですものね。

    患者様たちがあっちこっち行かなくても、どこの病院でも同じ治療を受けられることが保証されれば、みんな迷わなくてすみますからね。

    では行ってまいります。

    ↓はい、行ってらっしゃい!ところでお昼は食べたの?まだなら、どこかに寄り道してお茶するか、夜中まで我慢だね!!って応援クリックをお願いできますか。 クリックで一人でも多くの方を乳がんのお悩みから救ってまいりましょう。みなさまの応援を、心より感謝申し上げます。


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    BIG 1-98試験 その5

    2009年7月9日

    BIG 1-98試験 の結果の続きです。


    Forbes先生:
    BIG 1-98試験の主要評価項目であるDFS(無病生存率;yasuu注釈)は、

    レトロゾール単剤群が 87.9%

    タモキシフェン2年→レトロゾール3年が86.2%

    レトロゾール2年→タモキシフェン3年が87.6%

    で差がありませんでした。

    しかし、HR(hazard ratio)をみると、レトロゾールで治療を開始した方がタモキシフェンで治療を開始するより良好であることが示唆されます。

    リンパ節転移の状況別の再発抑制効果からも、レトロゾールで治療開始することで再発の多い最初の2年間を治療することが支持されると思います。

    リンパ節転移陽性例ではこの傾向は顕著であり、リンパ節転移陽性例では早くからAI(アロマターゼ阻害薬;yasuu注釈)の有効性が顕著になるのだと思います。

    “アロマターゼ阻害剤(AI)をめぐる最新報告 ―SABCS2008からー” 
    「San Antonio Breast Cancer Symposium Round Table Meeting」
    出演者:
    大阪大学大学院医学系研究科 乳腺・内分泌外科 野口 眞三郎先生
    MD Anderson Cancer Center Aman Buzdar先生
    University of Newcastle John Forbes先生
    杏林大学医学部 乳腺外科 井本 滋先生
    熊本大学大学院医学薬学研究部 乳腺・内分泌外科学分野 岩瀬 弘敬先生
    愛知県がんセンター中央病院 乳腺科 岩田 広治先生
    独立行政法人国立病院機構九州がんセンター 乳腺科 大野 真司先生
    東京医科大学 乳腺科 河野 範男先生
    聖路加国際病院 乳腺外科 中村 清吾先生
    「新薬と臨床」第58巻第3号 別冊 平成21年3月10日発行


    また秋に熊川哲也さんのバレエの公演があります。

    心をきれいにしてくれて、またがんばろうという勇気を与えてくれる、熊川哲也さんのバレエが大好きです。

    今度のテーマは“ロミオとジュリエット”です。

    それはこんなお話です。



    舞台はイタリア。

    対立関係にある二つの家族、モンタギュー家とキャビュレット家。

    そして、モンタギュー家の一人息子ロミオとキャビュレット家の一人娘ジュリエット。

    ある日、キャビュレット家のパーティーにこっそりと忍び込んだロミオ。

    そこで、ロミオとジュリエットは出会い、一目で恋に落ちてしまった。

    許されぬ恋をかなえるために、ジュリエットは42時間だけ仮死状態になるという薬を飲んでみんなの目を欺き、ロミオと二人での駆け落ちを決意する。

    しかし、その薬のことがロミオにはうまく伝わっていなかった。

    ロミオはジュリエットの横たわった身体をみて、本当にジュリエットが死んでしまったと勘違いし、本物の毒薬を飲んで息絶えてしまう。

    目が覚めたジュリエットは、ロミオのなきがらを見て、今度は短刀で自分の胸を突いて、その命を絶ってしまうのであった。

    若い二人の死を目の前にして、二つの家族はついに和解する。



    さびしいお話ですね。

    でも二人はどこにいても、どのような形であれ、きっと幸せになれることでしょう。


    人の命の大切さ。

    様々な愛情の形。

    熊川哲也さんは、この物語にどんな味付けをして、見せてくださるのでしょうか。

    今からどきどきして幕が開くのを待ちたいと思います。

    ↓全く世界が違うけど、そろそろターミネーター4を見に行かないと終わっちゃうよ!まだ見に行ってないんでしょ!わたしはもうとっくに見たけど!って応援クリックをお願いできますか。 クリックで一人でも多くの方を乳がんのお悩みから救ってまいりましょう。みなさまの応援を、心より感謝申し上げます。


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    BIG 1-98試験 その4

    2009年7月8日

    それではBIG 1-98試験の結果です。


    Forbes先生:
    BIG 1-98試験のエンドポイント(治療の意義を評価するための評価事項;yasuu注釈)は、DFS(
    無病生存率;yasuu注釈)、OS(全生存期間;yasuu注釈)、TTDR(遠隔再発までの期間;yasuu注釈)です。

    ITT解析では、DFSとTTDRで有意差が認められた(すなわちレトロゾール群が優れていた;yasuu注釈)。

    しかし、OSは有意差がありませんでした。

    一方センサード解析では全てレトロゾールが有意に優れていることが認められました。

    BIG 1-98試験、ATAC試験ともに、タモキシフェン5年投与との比較を目的として行われた試験ですが、試験結果を単純に間接比較して何らかの結論を導き出すべきではありません。

    今回の解析結果では、AI剤(アロマターゼ阻害薬;yasuu注釈)単剤はあきらかにタモキシフェン単剤よりも優れていることが強く裏付けられたということです。

    今後は、(閉経後においては;yasuu追記)タモキシフェンでホルモン療法を開始すべきでないと思われます。

    “アロマターゼ阻害剤(AI)をめぐる最新報告 ―SABCS2008からー” 
    「San Antonio Breast Cancer Symposium Round Table Meeting」
    出演者:
    大阪大学大学院医学系研究科 乳腺・内分泌外科 野口 眞三郎先生
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    東京医科大学 乳腺科 河野 範男先生
    聖路加国際病院 乳腺外科 中村 清吾先生
    「新薬と臨床」第58巻第3号 別冊 平成21年3月10日発行


    今朝は3時頃から活動を開始したので、今のこの時間は徐々に体のパワーが抜け落ちてきています。

    いつ気を失うか分かりません。

    皆さんも意識がもうろうとした人間の打つ文章がどのようなものか興味があるでしょ。

    あるいはそんな支離滅裂な文章は読みたくありませんか。

    さっきは、パソコンにおでこを押しつけて眠ってしまいましたので、おでこにキーボードの文字が写ってしまいました。・・・うそです。ごめんなさい。

    こんな元気のない日もたまにはあります。

    人間ですからね。

    体調に波があって当然なんですからね。

    元気ないときは元気無いなりのできることをやる。

    元気なときは、元気にいろんな事を積極的におこなう。

    それが大事なポイントですからね。

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    BIG 1-98試験 その3

    2009年7月7日

    ビッグワン試験 その3までまいりました。

    難しいお話は、まずはおおまかにあらすじをつかんでいくことが大事です。


    Forbes先生:
    BIG 1-98試験の最終結果が発表されました。

    2005年に中間報告の結果により、タモキシフェン5年投与群の盲検は解除されました。

    その結果、25%の患者様がレトロゾールへの変更を希望されました。

    そのため、無作為化された時点を起始点とした通常のITT解析では、実際にはタモキシフェン群の約25%の患者が途中からレトロゾールを投与されているので、レトロゾール群に不利なバイアスを生じます。

    そこで、盲検が解除された時点でレトロゾールに変更した患者を打ち切り症例とするセンサード解析も行いました。

    ただ、その後の解析で打ち切り症例は予後良好な患者が多かったことがわかり、センサード解析ではタモキシフェン群に不利なバイアスが生じることとなりました。

    こういった背景があることをご理解いただき、結果をみていただければと思います。
    “アロマターゼ阻害剤(AI)をめぐる最新報告 ―SABCS2008からー” 
    「San Antonio Breast Cancer Symposium Round Table Meeting」
    出演者:
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    「新薬と臨床」第58巻第3号 別冊 平成21年3月10日発行


    なんと、今日は七夕じゃないですか。

    何かお願いしなきゃいけませんね。

    もう間もなく今日はおしまいだけど。

    でも今日に限らず毎日毎日お願い事をいっぱいしているから、

    「別に七夕とかじゃなくても、いつもお願いばっかりじゃない!!」

    っておりひめ様に怒られますね。


    でも患者さんたちが元気になるのは私たちの力によるものじゃなく、結局は患者さんたちの治癒力を私たちがお手伝いしているだけのことなのです。

    だから私たちが皆様にやるべきことをやって差し上げたら、あとは本当にお祈りするばかりなのです。

    でもお祈りするだけでなく、もちろん私たちもより良い医療を提供できるように努力するべきですよね。

    それでも毎日、みんな元気になーれ!!ってお祈りしてしまうんですよね。

    ↓ところで乳がん学会の報告がまだじゃないの!もうちょっと待ってみるけど・・!早めにレポートまとめてみてね!!って応援クリックをお願いできますか。 クリックで一人でも多くの方を乳がんのお悩みから救ってまいりましょう。みなさまの応援を、心より感謝申し上げます。


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    BIG 1-98試験 その2

    2009年7月6日

    ビッグワン試験 その2です。

    ビッグなやつ!

    という意味でしょうか。


    Forbes先生:
    BIG 1-98試験において、タモキシフェン5年投与群の盲検が解除されることになった中間解析の結果は2005年に発表されました。

    その結果、レトロゾール投与群はタモキシフェン投与群より再発リスクを19%、遠隔転移リスクを27%有意に減少することが示されたのです。

    その後、タモキシフェン5年投与群とレトロゾール5年投与群のみを対象に追跡期間中央値51ヶ月時点で行われた解析においても、レトロゾール5年投与群はタモキシフェン5年投与群より再発リスクを18%、遠隔転移を19%、いずれも有意に減少することが示されました。

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    明日から1ヶ月に1回、院内のスタッフ向けに緩和ケアに関するニュースを発行することにしました。

    先日、日本緩和医療学会の発表の中で、院内での広報活動の一環として、月刊ニュースの発行をおこなっている病院があり・・・・・・そのまねっこです (^_^)v

    事務職の方にも医療スタッフにも全員に配ってみんなの緩和ケアに関する知識を増やしていただきたいと思っています。

    今日、創刊号のできたてほやほやを医療事務の方に特別にお見せしてみました。

    するとさっそく質問を受けました。

    「ところで緩和ケアの対象はがんの方だけなんですか?」

    そこで、私の思いをお伝えしました。

    「本来は、全ての病気の患者さんの苦痛を緩和して差し上げたいと思っています。でも、まずはがんの患者様から少しずつ広げていきたいと思っています。」

    そうなんです。

    本当は、医療スタッフは全てのあらゆる御病気の患者様の心の中を読み取り、その苦悩を緩和して差し上げるべきなのです。

    今日は、そのことを改めて感じました。

    ↓毎日色々なことに気づかされるのも人生の素敵なところですね!!そうやってみんなビッグになっていくんだよ!って応援クリックをお願いできますか。 クリックで一人でも多くの方を乳がんのお悩みから救ってまいりましょう。みなさまの応援を、心より感謝申し上げます。


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    BIG 1-98試験

    2009年7月5日

    ホルモン治療に関する報告をしばらく続けます。

    今日はビッグワン試験です。


    Forbes先生:
    BIG 1-98試験は、当初タモキシフェン5年投与に対するレトロゾール5年投与の有用性を検討する目的で1998年3月に開始された。

    その後1999年9月から試験デザインが変更され、

    1.タモキシフェン単剤5年投与
    2.レトロゾール単剤5年投与
    3.タモキシフェン2年投与後レトロゾール3年投与
    4.レトロゾール2年投与後タモキシフェン3年投与

    の合計4群になった。

    しかし、中間解析の結果を受けて、タモキシフェン単剤5年投与群のみ盲検が解除された。

    そこで、その時点での単剤投与の比較と盲検化されたままの3群の比較について解析をおこなうこととなり、厳密に言えば本来の目的は達成できていません。

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    昨日に引き続き、やっぱり臨床試験は難しいですね。

    途中でやり方を変更してしまうと何が何だか分からなくなってしまいますよね。

    でもその限られた情報の中で、うまく必要な情報のみを引き出すと、気が付かなかった事実が見えてくることもあるようです。

    明日はまたその、引き出された情報についてみてみましょう。


    整形外科と形成外科。

    救急外来を担当していると、患者様が混乱していることが良く分かります。

    おそらく美容整形という言葉が人々を惑わすのでしょう。

    本来、骨折や捻挫は整形外科。

    顔の傷などは形成外科の役割になります。

    また、乳房再建も形成外科です。

    ですから、美容整形という言葉も正確には美容形成なのです。

    でも、マスコミの人たちにとっても、番組の中での登場人物を“整形美人”と言った方が、“形成美人”というよりもインパクトがあるので、これからも整形と形成という言葉の混乱は続くでしょう。

    最近は乳房再建がとても大事になってきていますので、形成外科を目指す若いドクターがどんどん増えてくるといいなと思います。

    ただ、一番の理想は乳腺外科医たちが形成外科の手術手技をマスターすること、そして乳房切除と再建を一度におこなう同時再建におけるインプラント(シリコン)の保険適応が可能になることです。

    そうすれば、幸せになる患者さんたちはもっともっと増えると思います。

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    TEAM試験

    2009年7月4日

    ホルモン治療に関する報告が続きます。


    Buzdar先生:
    TEAM試験は、当初ATAC試験同様、エキセメスタン(商品名:アロマシン;yasuu注釈)5年投与とタモキシフェン5年投与を比較する予定であった。

    しかし、IES試験(Intergroup Exemestane Study)において、有意にDFS(無病生存率;yasuu注釈)を改善することを認めたため、タモキシフェン群は全て2.5~3年投与の時点でエキセメスタンに切り替えられた。

    そのため標準治療であるタモキシフェン5年投与群は存在しない。

    そこで、切り替え前の追跡期間2.75年時点でのタモキシフェン単剤群とエキセメスタン単剤群の比較が報告された。

    DFSはITT解析(intend to treat解析:例えばはじめにタモキシフェン群としてある患者さんを登録した場合、途中でエキセメスタンへ変更してもタモキシフェン群として扱う;yasuu注釈)でHR0.89であり、閉経後乳がん患者の術後補助療法としてエキセメスタンのタモキシフェンに優る有効性は認められませんでした。

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    臨床試験は難しいですね。

    明らかに成績に差がでてしまう治療の比較であれば、途中で責任者は中止を命令しなければいけないし、かといってその限られた期間の中での成績をあとで解析しようとすると、試験期間が短くて十分な成果がみられなかったり。

    でも、ヒトの体で悪い結果が予想されることを証明するわけにもいかないし。

    そうは言ってもエビデンスが全ての最近の医療においては、明確な成績の差をみせないと、誰もが納得できないですしね。


    「8年後に小惑星が衝突し地球は滅亡する。」

    こんな報道が行われたら人々はどうするでしょう。

    逃げまどう人々。

    やけになって犯罪に走る人々。

    自暴自棄になってしまう人々。

    限られた期間の中で最も幸せに過ごす方法を見つける人々。

    様々なタイプの方がいらっしゃるでしょう。

    終末のフール  伊坂 幸太郎 著

    そういった内容の本を読み始めました。

    実は、限られた期間の中で最も幸せに過ごす方法を見つける人々は、心に余裕があります。

    「ずっとあきらめずに頑張っていれば、どこかで一発逆転ができるのではないか。

    あきらめずに一瞬一瞬を過ごしていれば、きっと光が見えてくるはずだ。」

    そういう強い信念を持つことが大切です。

    また読み終わったら感想を書きますね。

    今日明日でどこまで読めますか・・。

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    アタック試験 その5

    2009年7月3日

    ATAC試験。

    今日で、一段落です。

    明日からはTEAM試験です。


    Buzdar先生:
    Ellis MJが発表していましたが、AI(アロマターゼ阻害薬;yasuu注釈)に抵抗性となった転移性乳がん患者を対象にエストラジオールの高用量(30mg/day)と低用量(6mg/day)を投与し、臨床的有用性(clinical benefit ; CR(著効)+PR(奏効)+SD(増悪無し)が24週間以上継続;yasuu注釈)が高用量群で40.7%、低用量群で41.6%であったことを報告しています。

    SD(増悪無し)が得られた患者にはAIを再び投与したところ、再び奏効した患者もいました。

    詳細なメカニズムは不明ですが、エストロゲン濃度が変化することによって、再びホルモン療法に感受性を持つようになると思われます。

    “アロマターゼ阻害剤(AI)をめぐる最新報告 ―SABCS2008からー” 
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    明日は腫瘍内科の第一人者の先生が座長を務められる“乳がん治療の今後“に関するセッションがあります。

    あまり変な質問をすると、その先生のブログで「バカな外科医がこんな質問をしてきた」と言われて涙がでてしまうので、選りすぐった質問をしてきたいと思っています。

    (追記:その第一人者の先生は、患者様には優しく、勉強しない医師には教育のために厳しい先生です。決して、悪い意味でこの文章を書いているわけではありません。 2009.7.6 yasuu)

    私たち医師は実は結構命がけで学会参加し、勝負をしてくるのです。

    「そんなことも知らないのか。」

    みたいな上から目線の先生もいらっしゃるし・・。

    でもそんな感じで真剣勝負をしてくると自分の知識も確かなものになっていきますので、ありがたいのです。

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    アタック試験 その4

    2009年7月2日


    Buzdar先生。

    MDアンダーソンがんセンターの先生です。

    MD アンダーソンがんセンターといえば世界中のがん治療医が常に意識をしている病院であり、様々なデータを発表し、チーム医療を実践している病院です。


    井本 滋先生:ATAC試験におけるアナストロゾールのcarry over effectのメカニズムについてはどのようにお考えですか。

    Buzdar先生:
    ホルモン依存性乳がん細胞株のMCF-7細胞は、エストロゲン欠乏環境下ではほとんど死滅する。

    しかし、時間と共に適応して不応性となりエストロゲンが極めて欠乏した環境でも成長する。

    そして、このエストロゲン不応性となった乳がん細胞株を再びエストロゲンに曝露すると細胞は死滅します。

    このことは、in vitro(試験管内;yasuu注釈)のみならずマウスでも確かめられました。


    では、ヒトにおいてAI(アロマターゼ阻害薬 ;yasuu注釈)の投与を中止するとどうなるでしょうか。

    AI投与中、ヒトのエストロゲン濃度は3~5pmolですが、投与を中止すると1週間以内に正常な閉経後のホルモン濃度である20~40pmolに上昇します。

    つまり、エストロゲンが枯渇した環境で増殖していたエストロゲン受容体陽性細胞は、エストロゲン濃度が上昇することで死滅するというわけです。

    これがcarryover effectと考えられます。

    “アロマターゼ阻害剤(AI)をめぐる最新報告 ―SABCS2008からー” 
    「San Antonio Breast Cancer Symposium Round Table Meeting」
    出演者:
    大阪大学大学院医学系研究科 乳腺・内分泌外科 野口 眞三郎先生
    MD Anderson Cancer Center Aman Buzdar先生
    University of Newcastle John Forbes先生
    杏林大学医学部 乳腺外科 井本 滋先生
    熊本大学大学院医学薬学研究部 乳腺・内分泌外科学分野 岩瀬 弘敬先生
    愛知県がんセンター中央病院 乳腺科 岩田 広治先生
    独立行政法人国立病院機構九州がんセンター 乳腺科 大野 真司先生
    東京医科大学 乳腺科 河野 範男先生
    聖路加国際病院 乳腺外科 中村 清吾先生
    「新薬と臨床」第58巻第3号 別冊 平成21年3月10日発行



    相当難しい内容になってきました。

    ただ、こういったお話も言葉の上での理解をするしかないですよね。

    そんなふうに考えるんだね。

    といった感じ。


    それにしても湿気が多いですね。

    雨が止んだと思ったら、また激しく降り始めて。

    そんなことの繰り返しです。

    雨が止んだらできれば傘は持ちたくないし、雨が降れば絶対に傘が必要な降り方だし・・・。

    普段私は傘をあまりさしません。

    「いいの、いいの、多少濡れたって。だって、患者さんたちの心にはもっと雨が降っているんだから、少し濡れて患者さんの心の痛みを感じなさい。」

    そう思って、濡れながら歩くことが多いんです。

    ただの独りよがりかな。


    でもさすがに大雨で傘をささないとみんなに「どうしたの?」って笑われてしまうので、そんな時は仕方なく傘をさすことにしています。


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