乳がん治療の向かうところ
今日は、順天堂大学乳腺センター長 霞 富士雄先生の2008年6月の御講演より抜粋しお話させていただきます。
乳がん治療の現状と将来という内容でお話いただきました。要旨は以下の通りです。
「乳がんの治療は、大きくわけて局所療法と全身療法がある。
局所療法は、手術や放射線治療。
全身療法は、化学療法やホルモン療法である。
化学・ホルモン療法によるpCR(病理学的完全奏効:顕微鏡検査でがん細胞が完全に消失していること)が増加すれば、手術の必要性が低下してくる。
乳がんの原発部分とリンパ節転移をきれいに根治的に切除(そして放射線治療)をしても乳がんはすべての症例において治癒するわけではない。
すなわち局所切除+リンパ節郭清は現在目に見えるものの根治を行っているにすぎない。
乳がん細胞が直径20μ、ダブリングタイム120日と仮定して、乳癌が直径1cmになるまでに8.8年かかりその間にほとんどの癌が転移を起こしていると考えられる。
従って必要なことは、目に見えない遠隔転移の治療である化学ホルモン療法である。」
今日はこわいおはなしをご紹介しているのではなく、“乳がんはゆっくり成長してくるタイプのがんであるので、小さいうちに発見して、全身への微小な転移を適切な治療で消滅させ病気を乗り越えましょう”、とお伝えしているのですからご安心ください。
今日は休日ですね。
でも働いている方はいっぱいいらっしゃるでしょう。
わたしも朝まで当直でした。
今から昨日の手術の方や病棟入院中の患者様方を訪れて、みんなの笑顔を確認してきますね
乳がん治療の現状と将来という内容でお話いただきました。要旨は以下の通りです。
「乳がんの治療は、大きくわけて局所療法と全身療法がある。
局所療法は、手術や放射線治療。
全身療法は、化学療法やホルモン療法である。
化学・ホルモン療法によるpCR(病理学的完全奏効:顕微鏡検査でがん細胞が完全に消失していること)が増加すれば、手術の必要性が低下してくる。
乳がんの原発部分とリンパ節転移をきれいに根治的に切除(そして放射線治療)をしても乳がんはすべての症例において治癒するわけではない。
すなわち局所切除+リンパ節郭清は現在目に見えるものの根治を行っているにすぎない。
乳がん細胞が直径20μ、ダブリングタイム120日と仮定して、乳癌が直径1cmになるまでに8.8年かかりその間にほとんどの癌が転移を起こしていると考えられる。
従って必要なことは、目に見えない遠隔転移の治療である化学ホルモン療法である。」
今日はこわいおはなしをご紹介しているのではなく、“乳がんはゆっくり成長してくるタイプのがんであるので、小さいうちに発見して、全身への微小な転移を適切な治療で消滅させ病気を乗り越えましょう”、とお伝えしているのですからご安心ください。
今日は休日ですね。
でも働いている方はいっぱいいらっしゃるでしょう。
わたしも朝まで当直でした。
今から昨日の手術の方や病棟入院中の患者様方を訪れて、みんなの笑顔を確認してきますね
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乳がん学校 第二回目
本日は8月に引き続き、乳がん学校に参加してまいりました。第二回目になります。
今日は到着と同時に、講師である横浜市立大学付属病院乳腺外科 千島 隆司先生と横浜栄共済病院外科医長 俵矢 香苗先生に、「ブログ見たよー。」と言っていただきました。
偉い先生方に気づかれないように、こっそりと企画して一人で更新してきましたので、とっても恥ずかしかったり嬉しかったりで、でもやっぱり・・・・・とっても嬉しかったです。
乳がん学校の内容は、乳がんの薬物療法について、そして臨床試験について、また抗癌剤治療の副作用について勉強しました。そして、参加した医師・看護師さん・薬剤師さん・診療放射線技師さん・臨床検査技師さん・栄養士さん・ソーシャルワーカーさんのみんなで、患者様の副作用を抑えたり、つらさをサポートする方法について討論しました。
色々な角度から患者様を支えていく方法を検討することの大切さをまた実感いたしました。どうしても医者は独りよがりになりがちですので、このような多職種の方々と直接話し合い、交流をしていくことはこれからもますます必要とされることであると考えます。
この横浜市立大学主催の乳がん学校は、これからもますます注目されていくことでしょう。あと2回ですが一生懸命に勉強し無事卒業し、乳がん学校の卒業生であると胸を張って言いたいと思います。
乳がん学校はたくさんの方々が応募し、残念ながら今回は入学できなかった方がたくさんいらっしゃいます。その方々のためにも、これからももっともっとたくさん乳がんについて研究を続け、患者様・御家族様のお役にたてますようにがんばっていきます。
千島先生、俵矢先生、そして本日特別参加の横浜労災病院 有岡 仁先生、お疲れ様でした。
これからもよろしくお願いいたします。
今日は乳がん学校終了後、横浜の病院から緊急手術のお手伝いのご依頼があったので、緊急手術をお手伝いし、今戻ってきました。
本日も締め切り時間ぎりぎりセーフ!です。
でも、もうバタンキューです(意味わかりますよね?)
おやすみなさい へ(´o`)へ
今日は到着と同時に、講師である横浜市立大学付属病院乳腺外科 千島 隆司先生と横浜栄共済病院外科医長 俵矢 香苗先生に、「ブログ見たよー。」と言っていただきました。
偉い先生方に気づかれないように、こっそりと企画して一人で更新してきましたので、とっても恥ずかしかったり嬉しかったりで、でもやっぱり・・・・・とっても嬉しかったです。
乳がん学校の内容は、乳がんの薬物療法について、そして臨床試験について、また抗癌剤治療の副作用について勉強しました。そして、参加した医師・看護師さん・薬剤師さん・診療放射線技師さん・臨床検査技師さん・栄養士さん・ソーシャルワーカーさんのみんなで、患者様の副作用を抑えたり、つらさをサポートする方法について討論しました。
色々な角度から患者様を支えていく方法を検討することの大切さをまた実感いたしました。どうしても医者は独りよがりになりがちですので、このような多職種の方々と直接話し合い、交流をしていくことはこれからもますます必要とされることであると考えます。
この横浜市立大学主催の乳がん学校は、これからもますます注目されていくことでしょう。あと2回ですが一生懸命に勉強し無事卒業し、乳がん学校の卒業生であると胸を張って言いたいと思います。
乳がん学校はたくさんの方々が応募し、残念ながら今回は入学できなかった方がたくさんいらっしゃいます。その方々のためにも、これからももっともっとたくさん乳がんについて研究を続け、患者様・御家族様のお役にたてますようにがんばっていきます。
千島先生、俵矢先生、そして本日特別参加の横浜労災病院 有岡 仁先生、お疲れ様でした。
これからもよろしくお願いいたします。
今日は乳がん学校終了後、横浜の病院から緊急手術のお手伝いのご依頼があったので、緊急手術をお手伝いし、今戻ってきました。
本日も締め切り時間ぎりぎりセーフ!です。
でも、もうバタンキューです(意味わかりますよね?)
おやすみなさい へ(´o`)へ
乳がん学校
昨日、横浜市立大学乳がん学校に参加してまいりました。
「横浜市立大学では、平成19年度から“乳がんチーム医療の推進と後進の育成”を目的とした“横浜市立大学乳がん学校”を開講しました。
本講座の特徴は、医師とコメディカル(病院やクリニックに携わるスタッフ)が“乳がん診療の知識”について同一の場で学び、グループワークを通してチーム医療を体験できるところにあります。」
横浜市立大学附属病院長 今田 敏夫先生のご挨拶より引用
今田 敏夫先生が乳がん学校の学校長として御参加くださり、横浜市立大学附属病院乳腺外科の千島 隆司先生が司会進行ならびに講師を務めてくださいました。
チーム医療とは、医師だけではなく、院内で働くあらゆる職種のメンバー全員で患者様を支えていく、という考え方です。
私は、今回乳がんについてもう一度知識の整理とともに、チーム医療の実践の方法について学びたかったこと、また最新の情報を入手して皆様に、そして患者様にお伝えしたかったことから、千島先生に申し込みをして乳がん学校入学を認めていただきました。
昨日は、研修医の先生の他、薬剤師、看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、栄養士、臨床心理士、ソーシャルワーカーの総勢60名の皆様と一緒に、机を並べて勉強しました。
千島先生とは神奈川乳癌治療研究会の会合などでいつもお世話になっており、とっても明るくて楽しい先生というのは存じておりましたが、やはり昨日も明るく楽しく授業が進んでいきました。
また他に、横須賀共済病院外科 浜口 洋平先生と横浜南共済病院外科 俵矢 香苗先生にも御講演いただきました。
乳がんの患者様が、外来を受診され、がんの告知を受け、悲しい気持ちで、目の前が真っ白になる、そのお気持ちをしっかりと理解し、どのように患者様と御家族の心を支えていくか、どのようにしたら患者様が正しい治療をお受けになることができるのか、みんなで一緒に考えました。
ここで学んだこと、得たことを直ちに実践していきたいと思っています。
また、乳がん学校で得られた情報を少しずつご紹介してまいりますね。
「横浜市立大学では、平成19年度から“乳がんチーム医療の推進と後進の育成”を目的とした“横浜市立大学乳がん学校”を開講しました。
本講座の特徴は、医師とコメディカル(病院やクリニックに携わるスタッフ)が“乳がん診療の知識”について同一の場で学び、グループワークを通してチーム医療を体験できるところにあります。」
横浜市立大学附属病院長 今田 敏夫先生のご挨拶より引用
今田 敏夫先生が乳がん学校の学校長として御参加くださり、横浜市立大学附属病院乳腺外科の千島 隆司先生が司会進行ならびに講師を務めてくださいました。
チーム医療とは、医師だけではなく、院内で働くあらゆる職種のメンバー全員で患者様を支えていく、という考え方です。
私は、今回乳がんについてもう一度知識の整理とともに、チーム医療の実践の方法について学びたかったこと、また最新の情報を入手して皆様に、そして患者様にお伝えしたかったことから、千島先生に申し込みをして乳がん学校入学を認めていただきました。
昨日は、研修医の先生の他、薬剤師、看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、栄養士、臨床心理士、ソーシャルワーカーの総勢60名の皆様と一緒に、机を並べて勉強しました。
千島先生とは神奈川乳癌治療研究会の会合などでいつもお世話になっており、とっても明るくて楽しい先生というのは存じておりましたが、やはり昨日も明るく楽しく授業が進んでいきました。
また他に、横須賀共済病院外科 浜口 洋平先生と横浜南共済病院外科 俵矢 香苗先生にも御講演いただきました。
乳がんの患者様が、外来を受診され、がんの告知を受け、悲しい気持ちで、目の前が真っ白になる、そのお気持ちをしっかりと理解し、どのように患者様と御家族の心を支えていくか、どのようにしたら患者様が正しい治療をお受けになることができるのか、みんなで一緒に考えました。
ここで学んだこと、得たことを直ちに実践していきたいと思っています。
また、乳がん学校で得られた情報を少しずつご紹介してまいりますね。
乳癌勉強会 2008年7月 みなとみらい その5
かなり濃厚な勉強会でしたので、その5まで来てしまいました。
勉強会の症例検討会 御講演お三人目は、聖マリアンナ医科大学 腫瘍内科 新明 裕子先生の御講演でした。
乳癌の治療方針決定の手段として現在注目を集めているのは、Mammaprintという検査とOncotypeDXという検査です。
これは非常に高額な検査で、腫瘍の一部、それもひとかたまりを提出しないと判定できない検査であり、日本ではまだ未承認であること、ただし乳癌の悪性度を評価するのにすぐれた検査であることを教えていただきました。
問題は術前にこの検査ができないこと、すなわち針生検の少量の検体ではこの検査ができないことです。
今後これが改善されることと日本で承認されることが、期待されます。
本日は救急当番ですので、急いで更新してまた救急車の対応に向かいます。
ばたばたした雰囲気で、申し訳ありません。
穏やかな夜になることを祈っています
皆様も、くれぐれもお体にはお気をつけて。
それでは、おやすみなさい
勉強会の症例検討会 御講演お三人目は、聖マリアンナ医科大学 腫瘍内科 新明 裕子先生の御講演でした。
乳癌の治療方針決定の手段として現在注目を集めているのは、Mammaprintという検査とOncotypeDXという検査です。
これは非常に高額な検査で、腫瘍の一部、それもひとかたまりを提出しないと判定できない検査であり、日本ではまだ未承認であること、ただし乳癌の悪性度を評価するのにすぐれた検査であることを教えていただきました。
問題は術前にこの検査ができないこと、すなわち針生検の少量の検体ではこの検査ができないことです。
今後これが改善されることと日本で承認されることが、期待されます。
本日は救急当番ですので、急いで更新してまた救急車の対応に向かいます。
ばたばたした雰囲気で、申し訳ありません。
穏やかな夜になることを祈っています
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皆様も、くれぐれもお体にはお気をつけて。
それでは、おやすみなさい
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乳癌勉強会 2008年7月 みなとみらい その4
勉強会の症例検討会 御講演お二人目は、北里大学の三戸先生でした。
局所進行乳癌の80歳女性のお話でした。
腫瘍は皮膚に露出しておりとても痛々しい状態でしたが、アロマターゼ阻害剤を投与することにより18ヶ月経過した今、腫瘍が縮小し、腫瘍の露出部分は小さくなって、著明に改善してきているという御発表でした。
この発表の後、私から会場の皆さんにご質問させていただきました。
「この患者様に対しては抗癌剤は使用されていないのですが、会場の先生方の、高齢の乳癌の方に対する治療戦略を教えてください。」
神奈川県内の各施設の先生方のご意見をまとめますと、以下の通りでした。
「基本的には80歳以上の患者様には、抗癌剤は投与しません。
副作用による生活の質の低下と抗癌剤による寿命の延長効果を合わせて考えれば、ホルモン治療が有効であれば、ホルモン治療のみの方が良いのではないでしょうか。
もちろん、患者様が非常に元気で、積極的な治療を御本人、御家族共にご希望されるようであれば、抗癌剤治療も考慮に入れて良いのではないでしょうか。
なお高齢の方でも、局所制御という意味での手術は必要でしょう。
ホルモン治療で腫瘍が小さくなった時点で、最小限の手術を行った方が患者様にとって有意義な治療となると思います。」
日本の乳癌治療の最先端情報を新たな知識として吸収することができるので、乳癌の勉強会は大好きです。
また明日からの診療に非常に役立つ情報ばかりですので、多くの患者様に有意義な情報をどんどん提供させていただきたいと思います。
東野圭吾さんの「変身
」を読み終わりました。
どんどん体が醜く変形していく・・、とか
何かをきっかけに一瞬で超人ハルクのように変身する・・、とか
華麗な転身・・、といった内容では全くありません。
東野圭吾さんはあくまでも心の中の情景描写をわかりやすく、そして壮絶に描いてくださるので、すべてが映画のように目に浮かんできますね。
いつも東野作品をラストシーンを想像しながら読み進めるのですが、その想像を意外な方向に裏切ることが東野圭吾さんの魅力です。
是非、ラストシーンを想像しながら読んでみてくださいね。
「もう読んだわよ」と言う声が聞こえてきそうですが・・
局所進行乳癌の80歳女性のお話でした。
腫瘍は皮膚に露出しておりとても痛々しい状態でしたが、アロマターゼ阻害剤を投与することにより18ヶ月経過した今、腫瘍が縮小し、腫瘍の露出部分は小さくなって、著明に改善してきているという御発表でした。
この発表の後、私から会場の皆さんにご質問させていただきました。
「この患者様に対しては抗癌剤は使用されていないのですが、会場の先生方の、高齢の乳癌の方に対する治療戦略を教えてください。」
神奈川県内の各施設の先生方のご意見をまとめますと、以下の通りでした。
「基本的には80歳以上の患者様には、抗癌剤は投与しません。
副作用による生活の質の低下と抗癌剤による寿命の延長効果を合わせて考えれば、ホルモン治療が有効であれば、ホルモン治療のみの方が良いのではないでしょうか。
もちろん、患者様が非常に元気で、積極的な治療を御本人、御家族共にご希望されるようであれば、抗癌剤治療も考慮に入れて良いのではないでしょうか。
なお高齢の方でも、局所制御という意味での手術は必要でしょう。
ホルモン治療で腫瘍が小さくなった時点で、最小限の手術を行った方が患者様にとって有意義な治療となると思います。」
日本の乳癌治療の最先端情報を新たな知識として吸収することができるので、乳癌の勉強会は大好きです。
また明日からの診療に非常に役立つ情報ばかりですので、多くの患者様に有意義な情報をどんどん提供させていただきたいと思います。
東野圭吾さんの「変身
どんどん体が醜く変形していく・・、とか
何かをきっかけに一瞬で超人ハルクのように変身する・・、とか
華麗な転身・・、といった内容では全くありません。
東野圭吾さんはあくまでも心の中の情景描写をわかりやすく、そして壮絶に描いてくださるので、すべてが映画のように目に浮かんできますね。
いつも東野作品をラストシーンを想像しながら読み進めるのですが、その想像を意外な方向に裏切ることが東野圭吾さんの魅力です。
是非、ラストシーンを想像しながら読んでみてくださいね。
「もう読んだわよ」と言う声が聞こえてきそうですが・・
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乳癌勉強会 2008年7月 みなとみらい その3
勉強会の後半では、聖マリアンナ医科大学 乳腺内分泌外科 緒方 晴樹先生が座長をされて、3人の先生からの御報告がありました。
お一人目は、神奈川県立がんセンター 乳腺甲状腺外科 菅沼 伸康先生でした。
70歳以上の女性のお二人に対する術前ホルモン療法の有効であった症例の御報告でした。
ホルモン療法に使用する薬剤は、いわゆるアロマターゼ阻害剤というもので、現在特に使用されているものは、アリミデックスとアロマシンという2剤です。
アロマシンおよびアリミデックスはいずれも、術前のホルモン療法による海外のデータでは、病理学的完全奏効率(顕微鏡で確認すると、完全に癌細胞が消失すること)は0-3%と報告されております。
術前ホルモン療法は
1)乳癌の進行度を下げる、いわゆるdownstagingが可能であること。
2)副作用が少ないこと
3)術前に使用することで、臨床的にそして組織学的にホルモン療法の有効性を判定でき、術後に有効な薬物療法を選択する際の目安とできること。
などの有効性が考えられます。
また、今後の術前ホルモン療法のデータが増えてくることに期待が持たれます。
今日は横浜国際花火大会です。
横浜は人があふれていますね。
まもなく始まります
今日は、病院で何かあればすぐに向かう当番なのでお酒は飲めません。
炭酸ジュースでも飲みながら、花火を楽しみますね。
川崎幸病院が新病院となったら、もう少し背が高くなるので、入院中の患者さんたちもみんなで花火が楽しめるようになるのではないかと思っています。
少しでも早く、新病院が完成するのを楽しみにしています
お一人目は、神奈川県立がんセンター 乳腺甲状腺外科 菅沼 伸康先生でした。
70歳以上の女性のお二人に対する術前ホルモン療法の有効であった症例の御報告でした。
ホルモン療法に使用する薬剤は、いわゆるアロマターゼ阻害剤というもので、現在特に使用されているものは、アリミデックスとアロマシンという2剤です。
アロマシンおよびアリミデックスはいずれも、術前のホルモン療法による海外のデータでは、病理学的完全奏効率(顕微鏡で確認すると、完全に癌細胞が消失すること)は0-3%と報告されております。
術前ホルモン療法は
1)乳癌の進行度を下げる、いわゆるdownstagingが可能であること。
2)副作用が少ないこと
3)術前に使用することで、臨床的にそして組織学的にホルモン療法の有効性を判定でき、術後に有効な薬物療法を選択する際の目安とできること。
などの有効性が考えられます。
また、今後の術前ホルモン療法のデータが増えてくることに期待が持たれます。
今日は横浜国際花火大会です。
横浜は人があふれていますね。
まもなく始まります
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今日は、病院で何かあればすぐに向かう当番なのでお酒は飲めません。
炭酸ジュースでも飲みながら、花火を楽しみますね。
川崎幸病院が新病院となったら、もう少し背が高くなるので、入院中の患者さんたちもみんなで花火が楽しめるようになるのではないかと思っています。
少しでも早く、新病院が完成するのを楽しみにしています
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乳癌勉強会 2008年7月 みなとみらい その2
乳癌術前化学療法と術前ホルモン療法についてのお話です。
埼玉県立がんセンター 乳腺外科部長の武井 寛幸先生のお話の続きです。
「今後は、高齢者の乳癌患者さんが増えていく傾向となります。
すると日本全体としては御高齢の方に対し、
1)全身麻酔の危険性を考え、局所麻酔下の手術が増加傾向となる。
2)センチネルリンパ節生検が増加し、腋窩リンパ節郭清を行わないことが増える。
3)抗癌剤治療が減り、ホルモン治療が増加する。
現在、御高齢の方に対する術前ホルモン治療の有効性についての臨床研究が進んでいますので、今後データが出てくると思います。」
内服のホルモン療法が、御高齢の方に対して有効であることが証明されれば、必要以上に抗癌剤による副作用に悩まされなくてすむので、患者さんのためにとっても良いお話ですね。
今日はかなり蒸し暑かったですね。
むしといえば、インディージョーンズにはいっぱい虫が出てきますね。
気持ち悪くて、ぞくぞくして、楽しいですよね。
そういえば、今回映画の中でサソリに人が刺されるシーンがでてきたのですが、サソリの毒について調べてみました。
ウィキペディアでは、サソリは1000種類存在し致命的な毒をもつものは25種類とのことです。
ほとんどのサソリは毒性は低く、小さい昆虫を食事として死に至らせることができれば良いぐらいの毒しか持たないようです。
最も毒性が強いのは、デスストーカーといういかにも怖い名前のサソリです。
中近東に生息するとのことで、このサソリがインディージョーンズにでてきたのでしょうか。
そうしたら刺されたらだめですよね。
人と人との会話のなかでも、知らず知らずサソリのように、ちくっと、ぐさっと人の心を痛めてしまうことがあります。
これは、どんなに気をつけていても起こってしまう場合があります。
わたしも十分気をつけていますが、普段の会話を通して、またこのインターネットを通して、皆様を傷つけてしまうようなことがあれば、教えてくださいね。
ちなみに、わたくしはさそり座の男ではありません。
双子座の、好奇心旺盛で落ち着きがなく何かを思いついたらじっとしていられない、そんな男ですのでよろしくお願いいたします。
埼玉県立がんセンター 乳腺外科部長の武井 寛幸先生のお話の続きです。
「今後は、高齢者の乳癌患者さんが増えていく傾向となります。
すると日本全体としては御高齢の方に対し、
1)全身麻酔の危険性を考え、局所麻酔下の手術が増加傾向となる。
2)センチネルリンパ節生検が増加し、腋窩リンパ節郭清を行わないことが増える。
3)抗癌剤治療が減り、ホルモン治療が増加する。
現在、御高齢の方に対する術前ホルモン治療の有効性についての臨床研究が進んでいますので、今後データが出てくると思います。」
内服のホルモン療法が、御高齢の方に対して有効であることが証明されれば、必要以上に抗癌剤による副作用に悩まされなくてすむので、患者さんのためにとっても良いお話ですね。
今日はかなり蒸し暑かったですね。
むしといえば、インディージョーンズにはいっぱい虫が出てきますね。
気持ち悪くて、ぞくぞくして、楽しいですよね。
そういえば、今回映画の中でサソリに人が刺されるシーンがでてきたのですが、サソリの毒について調べてみました。
ウィキペディアでは、サソリは1000種類存在し致命的な毒をもつものは25種類とのことです。
ほとんどのサソリは毒性は低く、小さい昆虫を食事として死に至らせることができれば良いぐらいの毒しか持たないようです。
最も毒性が強いのは、デスストーカーといういかにも怖い名前のサソリです。
中近東に生息するとのことで、このサソリがインディージョーンズにでてきたのでしょうか。
そうしたら刺されたらだめですよね。
人と人との会話のなかでも、知らず知らずサソリのように、ちくっと、ぐさっと人の心を痛めてしまうことがあります。
これは、どんなに気をつけていても起こってしまう場合があります。
わたしも十分気をつけていますが、普段の会話を通して、またこのインターネットを通して、皆様を傷つけてしまうようなことがあれば、教えてくださいね。
ちなみに、わたくしはさそり座の男ではありません。
双子座の、好奇心旺盛で落ち着きがなく何かを思いついたらじっとしていられない、そんな男ですのでよろしくお願いいたします。
乳癌勉強会 2008年7月 みなとみらい
本日は聖マリアンナ医科大学 乳腺内分泌外科 福田 護先生が座長をされて、乳癌の勉強会がみなとみらいで開かれました。
今日のテーマは「乳癌手術前の抗癌剤治療とホルモン療法」についてでした。いわゆる、術前化学療法と術前ホルモン療法についてのお話です。
特別講演として、
埼玉県立がんセンター 乳腺外科部長の武井 寛幸先生のお話がありました。
重要なお話が盛りだくさんでしたが、中でも皆様にとって大切なポイントをお伝えします。
「術前化学療法の適応となるのは、
針生検で浸潤癌と診断されていること。
手術では完全切除が困難であること、あるいは腫瘍の縮小によって乳房温存療法が可能となることが期待できる場合。
となります。
一方、術前化学療法と術後化学療法を比較すると、術前化学療法を行った方が乳房温存の比率は増加しますが、その予後については差は認めませんでした。
術前化学療法としては、
AC(Doxorubicin-Cyclophosphamide)療法にT(Taxane)療法を加えると、pathological CR(病理学的完全奏効:顕微鏡で観察すると完全に癌細胞が消失していること)の比率が上昇すること。
AC療法により clinical PR(臨床的部分奏効:画像診断で各標的病変の最長径の和が30%以上縮小しこれが4週間以上持続)が得られた場合には術前T療法を加えた方が、AC療法のみと比べて、DFS(無病生存期間)の向上が望める。」
続きはまた明日にします。
明日からの、乳癌の患者様にすぐに提案できる最新情報を常に手に入れられるように、電波を張り巡らしております。
もうすぐ0時です。
今日もたくさんの患者様がいらっしゃいました。
みなさまがぐっすり眠れますように、お祈りしています。
もし、不安で眠れない方や、悲しすぎる方やつらい方は、またお話を聞かせてください。
少しでも、あなたの心が癒せるように、あなたのお力になれますように、ベストを尽くしますので。
それでは、おやすみなさい
今日のテーマは「乳癌手術前の抗癌剤治療とホルモン療法」についてでした。いわゆる、術前化学療法と術前ホルモン療法についてのお話です。
特別講演として、
埼玉県立がんセンター 乳腺外科部長の武井 寛幸先生のお話がありました。
重要なお話が盛りだくさんでしたが、中でも皆様にとって大切なポイントをお伝えします。
「術前化学療法の適応となるのは、
針生検で浸潤癌と診断されていること。
手術では完全切除が困難であること、あるいは腫瘍の縮小によって乳房温存療法が可能となることが期待できる場合。
となります。
一方、術前化学療法と術後化学療法を比較すると、術前化学療法を行った方が乳房温存の比率は増加しますが、その予後については差は認めませんでした。
術前化学療法としては、
AC(Doxorubicin-Cyclophosphamide)療法にT(Taxane)療法を加えると、pathological CR(病理学的完全奏効:顕微鏡で観察すると完全に癌細胞が消失していること)の比率が上昇すること。
AC療法により clinical PR(臨床的部分奏効:画像診断で各標的病変の最長径の和が30%以上縮小しこれが4週間以上持続)が得られた場合には術前T療法を加えた方が、AC療法のみと比べて、DFS(無病生存期間)の向上が望める。」
続きはまた明日にします。
明日からの、乳癌の患者様にすぐに提案できる最新情報を常に手に入れられるように、電波を張り巡らしております。
もうすぐ0時です。
今日もたくさんの患者様がいらっしゃいました。
みなさまがぐっすり眠れますように、お祈りしています。
もし、不安で眠れない方や、悲しすぎる方やつらい方は、またお話を聞かせてください。
少しでも、あなたの心が癒せるように、あなたのお力になれますように、ベストを尽くしますので。
それでは、おやすみなさい
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癌治療に関する勉強会 ―東京プリンスホテルー
昨日は、東京プリンスホテルでの勉強会に参加してきました。
Clinical Onchology Symposium 2008 ~患者さんと共に歩むがん医療を目指して~ です。
癌緩和ケアや癌化学療法や手術治療について、色々なお話が聞けました。
その中で、乳癌の治療に関して聖路加国際病院 ブレストセンター長 乳腺外科部長である、中村 清吾先生のお話も伺ってきました。
「聖路加国際病院での乳癌治療の現況については、
現在術前化学療法が増加してきており、術前化学療法率は31.3%である。
術前化学療法では、CAFを先行させドセタキセルを追加することによって、pathological CR(病理学的完全奏効率:顕微鏡的に癌細胞が消失すること)が20%となっていること。
これにより、乳房温存率は71.4%に上昇していること。」
という内容でした。
また、日本の乳癌診療に期待することとして
「ホルモンレセプター陽性の方に、抗癌剤治療が必要かどうかを調べる検査にOncotype Dx.がありますが、日本ではまだ認可された検査ではないので、今後早急に認められることを希望します。」
以上のような内容でした。
このように術前化学療法の有用性も徐々に証明されてきておりますので、乳房温存手術を強くご希望される場合には、非常に有効な方法であると考えます。
川崎幸病院・川崎幸クリニックにおきましても、必要な患者様にはご相談の上、術前化学療法を行っております。
つねに、最前線の乳癌診療を研究し、皆様のお役にたてますように自己研鑽しておりますので、安心して受診なさってください。
今週は、また学会発表がありまして今夜も準備をしないといけません。
まずは皆様に昨日の報告をしてから、
それから入院患者様のお元気具合をもう一度チェックして、
それからごはんを食べて、
それから本を読んで、
それから寝て・・・・・。
あれっ。
学会準備を忘れてました
すぐにつらいことは忘れようとしてしまいます。
それが、ストレスをためないコツなんですよ。
秘密ですけどね (*^_^*)
Clinical Onchology Symposium 2008 ~患者さんと共に歩むがん医療を目指して~ です。
癌緩和ケアや癌化学療法や手術治療について、色々なお話が聞けました。
その中で、乳癌の治療に関して聖路加国際病院 ブレストセンター長 乳腺外科部長である、中村 清吾先生のお話も伺ってきました。
「聖路加国際病院での乳癌治療の現況については、
現在術前化学療法が増加してきており、術前化学療法率は31.3%である。
術前化学療法では、CAFを先行させドセタキセルを追加することによって、pathological CR(病理学的完全奏効率:顕微鏡的に癌細胞が消失すること)が20%となっていること。
これにより、乳房温存率は71.4%に上昇していること。」
という内容でした。
また、日本の乳癌診療に期待することとして
「ホルモンレセプター陽性の方に、抗癌剤治療が必要かどうかを調べる検査にOncotype Dx.がありますが、日本ではまだ認可された検査ではないので、今後早急に認められることを希望します。」
以上のような内容でした。
このように術前化学療法の有用性も徐々に証明されてきておりますので、乳房温存手術を強くご希望される場合には、非常に有効な方法であると考えます。
川崎幸病院・川崎幸クリニックにおきましても、必要な患者様にはご相談の上、術前化学療法を行っております。
つねに、最前線の乳癌診療を研究し、皆様のお役にたてますように自己研鑽しておりますので、安心して受診なさってください。
今週は、また学会発表がありまして今夜も準備をしないといけません。
まずは皆様に昨日の報告をしてから、
それから入院患者様のお元気具合をもう一度チェックして、
それからごはんを食べて、
それから本を読んで、
それから寝て・・・・・。
あれっ。
学会準備を忘れてました

すぐにつらいことは忘れようとしてしまいます。
それが、ストレスをためないコツなんですよ。
秘密ですけどね (*^_^*)
乳腺勉強会のご報告 2008.5月 その2
乳腺勉強会についてのご報告2回目です。
患者様の病気についての検討の2人目についてみんなで討論しました。
30代の女性。胸にしこりを感じて、当院を受診されました。当院でもしこりを触知したので、マンモグラフィーと超音波検査を行いました。
その結果、やや悪性が疑わしいので、私は針生検を行いました。しっかりと、しこりに針を命中させて顕微鏡の検査をおこなったところ、癌細胞は全く認めず良性の乳腺症と診断しました。
このかたには、さらに最近トピックスになっている乳腺MRIもおこなっております。この結果、MRIでもやはり良性であると診断いたしました。
この方のように、日々乳癌検診で安心を手にされてお帰りになるかたが、多くいらっしゃることを改めて、みんなで学びました。
私たちは常に、あらゆる角度から診断をつけて、見落としをふせぎ、確かな検診をおこなっております。また、定期的に勉強会を開き、技師さんの検査技術の向上や、読影医の診断能力の向上に努めております。
一人でも多くの方が乳癌検診を受けていただくことを祈っております。
患者様の病気についての検討の2人目についてみんなで討論しました。
30代の女性。胸にしこりを感じて、当院を受診されました。当院でもしこりを触知したので、マンモグラフィーと超音波検査を行いました。
その結果、やや悪性が疑わしいので、私は針生検を行いました。しっかりと、しこりに針を命中させて顕微鏡の検査をおこなったところ、癌細胞は全く認めず良性の乳腺症と診断しました。
このかたには、さらに最近トピックスになっている乳腺MRIもおこなっております。この結果、MRIでもやはり良性であると診断いたしました。
この方のように、日々乳癌検診で安心を手にされてお帰りになるかたが、多くいらっしゃることを改めて、みんなで学びました。
私たちは常に、あらゆる角度から診断をつけて、見落としをふせぎ、確かな検診をおこなっております。また、定期的に勉強会を開き、技師さんの検査技術の向上や、読影医の診断能力の向上に努めております。
一人でも多くの方が乳癌検診を受けていただくことを祈っております。