ピンクリボン運動について その3
対談シリーズです。
「―乳がん検診体制とピンクリボン運動 その3―
尾浦:マンモグラフィー検診の一番のメリットである石灰化が見つかっても、マンモトームが限られた施設でしか行えないのが問題です。
受診率を上げる前に、きちんとした検診ができる体制をつくらなければなりませんが、そこまで至っていません。
霞:今まで厚生労働省は国民の健康に関して、“自分の健康は自分で守るもの”と検診にそれほど神経を払ってきませんでした。
また、検診をどこで受けたら良いのかはっきりしないことも大問題です。
事実、日本の女性がマンモグラフィ検診を受けない理由の多くは、“どこで診てもらえば良いか分からない”ということです。
今後の体制作りでいちばん簡単なのは、設備があり専門家もいる病院で乳がん検診を受けるという方式にすれば良いのだと思います。
野口:乳がんの死亡率を下げるには対象女性の70%以上がマンモグラフィー検診を受けることが必要だと思いますが、アメリカはさらに高く80%を目指しています。
日本では一時的に盛り上がったとしても、検診率は20%前後です。
霞:アメリカは、60%の人はプライベートの保険に入っていて、マンモグラフィー検診をカバーしますし、メディケア(アメリカとカナダの高齢者医療保険)、メディケイド(アメリカとカナダの医療扶助)も金銭的にカバーしてくれます。
検診場所に関しても、ヘルスセンターなどに検診バスが出ていて、日本のように“どこに行けば良いか分からない“ということが少ないようです。
アメリカでは乳がんが日本の数倍も多いですから、“女性の敵”という考え方が染みついています。
日本でももう少しすれば“乳がんは日本女性の国民病になる”という雰囲気になるでしょう。」
日本医師会雑誌 7月号
乳がんに対する国民の理解、そして日本政府の協力により、乳がん検診が誰でも気軽に受けられるようになってほしいですね。
そしてそのための運動も、医療従事者、患者様みんなで力を合わせてがんばってやっていかないといけません。
今週はお盆でしたね。
ご先祖様にご挨拶をしてきました。
脳梗塞で亡くなった方や癌で亡くなった方。
色々なご先祖様に、今後も病気たちに立ち向かっていくことを誓ってきました。
また明日からもがんばってまいります。
“The World of Golden Eggs”
昨日もお話に出しましたが、思わず吹き出してしまうDVDです。
“こんな、下品なのは嫌だわ“
そうおっしゃる方も多いかもしれません。
私は、初めて今回観ました。
下品な部分も確かにありますが、何だかアニメの登場人物たちのとりこになりそうです。
しかも、英語の勉強も字幕でできるのです。
そしてなんとこの英語は、日本英語検定協会、いわゆる英検が監修しているのです
びっくりしました
こちらのブログで英語の勉強も始めましょうか (*^_^*)
「―乳がん検診体制とピンクリボン運動 その3―
尾浦:マンモグラフィー検診の一番のメリットである石灰化が見つかっても、マンモトームが限られた施設でしか行えないのが問題です。
受診率を上げる前に、きちんとした検診ができる体制をつくらなければなりませんが、そこまで至っていません。
霞:今まで厚生労働省は国民の健康に関して、“自分の健康は自分で守るもの”と検診にそれほど神経を払ってきませんでした。
また、検診をどこで受けたら良いのかはっきりしないことも大問題です。
事実、日本の女性がマンモグラフィ検診を受けない理由の多くは、“どこで診てもらえば良いか分からない”ということです。
今後の体制作りでいちばん簡単なのは、設備があり専門家もいる病院で乳がん検診を受けるという方式にすれば良いのだと思います。
野口:乳がんの死亡率を下げるには対象女性の70%以上がマンモグラフィー検診を受けることが必要だと思いますが、アメリカはさらに高く80%を目指しています。
日本では一時的に盛り上がったとしても、検診率は20%前後です。
霞:アメリカは、60%の人はプライベートの保険に入っていて、マンモグラフィー検診をカバーしますし、メディケア(アメリカとカナダの高齢者医療保険)、メディケイド(アメリカとカナダの医療扶助)も金銭的にカバーしてくれます。
検診場所に関しても、ヘルスセンターなどに検診バスが出ていて、日本のように“どこに行けば良いか分からない“ということが少ないようです。
アメリカでは乳がんが日本の数倍も多いですから、“女性の敵”という考え方が染みついています。
日本でももう少しすれば“乳がんは日本女性の国民病になる”という雰囲気になるでしょう。」
日本医師会雑誌 7月号
乳がんに対する国民の理解、そして日本政府の協力により、乳がん検診が誰でも気軽に受けられるようになってほしいですね。
そしてそのための運動も、医療従事者、患者様みんなで力を合わせてがんばってやっていかないといけません。
今週はお盆でしたね。
ご先祖様にご挨拶をしてきました。
脳梗塞で亡くなった方や癌で亡くなった方。
色々なご先祖様に、今後も病気たちに立ち向かっていくことを誓ってきました。
また明日からもがんばってまいります。
“The World of Golden Eggs”
昨日もお話に出しましたが、思わず吹き出してしまうDVDです。
“こんな、下品なのは嫌だわ“
そうおっしゃる方も多いかもしれません。
私は、初めて今回観ました。
下品な部分も確かにありますが、何だかアニメの登場人物たちのとりこになりそうです。
しかも、英語の勉強も字幕でできるのです。
そしてなんとこの英語は、日本英語検定協会、いわゆる英検が監修しているのです

びっくりしました

こちらのブログで英語の勉強も始めましょうか (*^_^*)
ピンクリボン運動について その2
本日は、8月9日に引き続き日本医師会雑誌 7月号より再び引用させてください。
順天堂医院乳腺センター 霞 富士雄先生
金沢大学乳腺科 野口 昌邦先生
杏林大学外科 井本 滋先生
和歌山県立医科大学第一外科 尾浦 正二先生
による2008年3月の対談です。敬称略とします。先生方、申し訳ありません。
「―乳がん検診体制とピンクリボン運動 その2―
井本:昨今、芸能人が乳がんになったりすると一時的に盛り上がりますが、そこですぐ終わってしまいます。
また乳がんの発見の可能性が大きい40-50歳代の方よりも、20歳代の方がたくさん検診に来ます。
日本における乳がん検診受診率がなぜ20%を超えないのか私には分かりません。
ピンクリボン運動の参加企業側も会社のイメージづくりのために運動を進めている部分もありますが、やはり啓発のためにコマーシャルを定期的に流すなどして検診受診率を着実に伸ばす施策が必要です。
霞:50歳以上70歳以下の女性にマンモグラフィー検診を行えば、確実に死亡率は下がるというデータがでています。
年齢に限って言えば相当有効であるということです。
そういう意味で、マンモグラフィーを撮るシステムをしっかり作り上げれば非常に良いと思うのですが、日本ではまだまだです。
ピンクリボン運動が盛んになるのは実際に素晴らしいことです。
しかし、アンケートでは市町村の公的検診に限っては受診率は10%にも届きません。」
今日は皆様に喜んでいただけるようにブログのデザイン調整をおこないました
少しでも皆様が楽しみながら情報を入手できるようにしていきたいです。
そしてこちらのブログを通して一人でも多くの方が、乳がん検診の重要性に気づいていただけたら幸いです。
今、ちょっとはまっているのが“The World of Golden Eggs”です。
ナンセンスな笑いで、笑っていいのか悪いのか非常に難しい部分もあるのですが、やっぱりくだらなくって笑ってしまいます。
これは日本のアニメなのですか。
ギャグのセンスは日本っぽいのですが、海外でも人気なのでしょうか。
元気のない人もちょっと元気がでるかもしれませんので、一度見てみてくださいね (^^)/
順天堂医院乳腺センター 霞 富士雄先生
金沢大学乳腺科 野口 昌邦先生
杏林大学外科 井本 滋先生
和歌山県立医科大学第一外科 尾浦 正二先生
による2008年3月の対談です。敬称略とします。先生方、申し訳ありません。
「―乳がん検診体制とピンクリボン運動 その2―
井本:昨今、芸能人が乳がんになったりすると一時的に盛り上がりますが、そこですぐ終わってしまいます。
また乳がんの発見の可能性が大きい40-50歳代の方よりも、20歳代の方がたくさん検診に来ます。
日本における乳がん検診受診率がなぜ20%を超えないのか私には分かりません。
ピンクリボン運動の参加企業側も会社のイメージづくりのために運動を進めている部分もありますが、やはり啓発のためにコマーシャルを定期的に流すなどして検診受診率を着実に伸ばす施策が必要です。
霞:50歳以上70歳以下の女性にマンモグラフィー検診を行えば、確実に死亡率は下がるというデータがでています。
年齢に限って言えば相当有効であるということです。
そういう意味で、マンモグラフィーを撮るシステムをしっかり作り上げれば非常に良いと思うのですが、日本ではまだまだです。
ピンクリボン運動が盛んになるのは実際に素晴らしいことです。
しかし、アンケートでは市町村の公的検診に限っては受診率は10%にも届きません。」
今日は皆様に喜んでいただけるようにブログのデザイン調整をおこないました

少しでも皆様が楽しみながら情報を入手できるようにしていきたいです。
そしてこちらのブログを通して一人でも多くの方が、乳がん検診の重要性に気づいていただけたら幸いです。
今、ちょっとはまっているのが“The World of Golden Eggs”です。
ナンセンスな笑いで、笑っていいのか悪いのか非常に難しい部分もあるのですが、やっぱりくだらなくって笑ってしまいます。
これは日本のアニメなのですか。
ギャグのセンスは日本っぽいのですが、海外でも人気なのでしょうか。
元気のない人もちょっと元気がでるかもしれませんので、一度見てみてくださいね (^^)/
ピンクリボン運動について
本日は、日本医師会雑誌 7月号より引用させていただきます。
順天堂医院乳腺センター 霞 富士雄先生
金沢大学乳腺科 野口 昌邦先生
杏林大学外科 井本 滋先生
和歌山県立医科大学第一外科 尾浦 正二先生
による2008年3月の対談です。
以下敬称略とさせていただきます。先生方、申し訳ありません。
「―乳がん検診体制とピンクリボン運動 その1―
霞:日本では乳がんが増えているなか、現在新聞紙上、あるいはテレビなどでピンクリボン運動が活発に取り上げられ、大きな企業もピンクリボン運動に拠金し協賛しようというムードになってきました。
ピンクリボン運動は確かに素晴らしいと思いますし、盛んになるのは良いことです。しかし、一方乳がんの専門病院、あるいは乳癌専門医としてそれを一体どうみれば良いのか、ピンクリボン運動を支える検診体制をどうするか。
野口:私はピンクリボン運動には基本的に賛成です。欧米、特に西ヨーロッパでは罹患率の増加にかかわらず、死亡率が下がっている現状があります。
ところが、日本は年間約4万人が乳がんになります。
マンモグラフィー検診は日本でも始まっていますが、検診受診者はおそらく対象女性の20%以下であり、これでは死亡率の減少に結びつきません。
厚生労働省は50%を目指していると聞きますが、欧米では検診受診率が70%を超えないと死亡率は下がらないと言われています。
そういう面では、ピンクリボン運動などで啓発してもらい、多数の女性に検診を受けていただきたいと思います。
ただ医師の立場としては、きちんとした指導者が付いてこのような運動が行われるのが一番良いと思われます。」
私のブログやホームページが、皆様の乳がん検診を受ける一つのきっかけになれますように、あの手、この手でみなさまに情報提供してまいります (^o^)
今日もとっても暑いですが、もし みなとみらいにお越しの際には、かながわ乳がん市民フォーラムにお越し下さいね。
みんな一人ではないんだよ。
ひとりでがんばりすぎないでね。
というメッセージを私たちスタッフから皆様へお送りいたしますからね。
また、本日のフォーラムに関して改めて御報告いたしますね (^^)/
順天堂医院乳腺センター 霞 富士雄先生
金沢大学乳腺科 野口 昌邦先生
杏林大学外科 井本 滋先生
和歌山県立医科大学第一外科 尾浦 正二先生
による2008年3月の対談です。
以下敬称略とさせていただきます。先生方、申し訳ありません。
「―乳がん検診体制とピンクリボン運動 その1―
霞:日本では乳がんが増えているなか、現在新聞紙上、あるいはテレビなどでピンクリボン運動が活発に取り上げられ、大きな企業もピンクリボン運動に拠金し協賛しようというムードになってきました。
ピンクリボン運動は確かに素晴らしいと思いますし、盛んになるのは良いことです。しかし、一方乳がんの専門病院、あるいは乳癌専門医としてそれを一体どうみれば良いのか、ピンクリボン運動を支える検診体制をどうするか。
野口:私はピンクリボン運動には基本的に賛成です。欧米、特に西ヨーロッパでは罹患率の増加にかかわらず、死亡率が下がっている現状があります。
ところが、日本は年間約4万人が乳がんになります。
マンモグラフィー検診は日本でも始まっていますが、検診受診者はおそらく対象女性の20%以下であり、これでは死亡率の減少に結びつきません。
厚生労働省は50%を目指していると聞きますが、欧米では検診受診率が70%を超えないと死亡率は下がらないと言われています。
そういう面では、ピンクリボン運動などで啓発してもらい、多数の女性に検診を受けていただきたいと思います。
ただ医師の立場としては、きちんとした指導者が付いてこのような運動が行われるのが一番良いと思われます。」
私のブログやホームページが、皆様の乳がん検診を受ける一つのきっかけになれますように、あの手、この手でみなさまに情報提供してまいります (^o^)
今日もとっても暑いですが、もし みなとみらいにお越しの際には、かながわ乳がん市民フォーラムにお越し下さいね。
みんな一人ではないんだよ。
ひとりでがんばりすぎないでね。
というメッセージを私たちスタッフから皆様へお送りいたしますからね。
また、本日のフォーラムに関して改めて御報告いたしますね (^^)/
ピンクリボン
ピンクリボン運動は、アメリカの女性たちの乳癌啓発キャンペーンから始まったものです。胸にピンクのリボンをつけることにより、定期検診と自己管理の大切さを周囲の人々にアピールすることを目的としています。
アメリカで若くして2人の子供を残して乳癌で亡くなった女性の家族が、悲劇を繰り返さないようにとたくさんのピンクリボンをつくって広めたのが起源です。
日本でも最近は各地でピンクリボンキャンペーンが行われていますが、このキャンペーンをとりまいた様々な状況をきっかけに、論争がおきています。
みなさんも、ピンクリボン運動に積極的に参加して乳癌検診の大切さを純粋にアピールするのは良いと思います。
また、日々の生活の中で、周りのお友達に乳癌検診の大切さをアピールするのも良いと思います。
ただしいずれにしてもこの時代では、ピンクリボンにこだわらずとも、ヒトの命の大切さを意識して日々生活していくことが男性にも女性にも求められていると思います。
中には、病気の方や、病気の方のご家族の弱気なこころや、純粋な心を利用してお金をもうけようとしている人たちがいます。そういった人たちに皆さん、負けないでください。
すぐに人を信用せずに、常に物事を冷静に判断する心を持ちましょう。
今日は少し重いお話になりましたが、ピンクリボン運動をきっかけに、患者さん同士が、また患者さんの家族同士や医療関係者たちが知らないうちに、インターネット上で憎しみあってしまうような状況があってはならないと想いましたので自分の思いを書きました。
みなさん、お互いをもっともっと大事にしましょうね。
アメリカで若くして2人の子供を残して乳癌で亡くなった女性の家族が、悲劇を繰り返さないようにとたくさんのピンクリボンをつくって広めたのが起源です。
日本でも最近は各地でピンクリボンキャンペーンが行われていますが、このキャンペーンをとりまいた様々な状況をきっかけに、論争がおきています。
みなさんも、ピンクリボン運動に積極的に参加して乳癌検診の大切さを純粋にアピールするのは良いと思います。
また、日々の生活の中で、周りのお友達に乳癌検診の大切さをアピールするのも良いと思います。
ただしいずれにしてもこの時代では、ピンクリボンにこだわらずとも、ヒトの命の大切さを意識して日々生活していくことが男性にも女性にも求められていると思います。
中には、病気の方や、病気の方のご家族の弱気なこころや、純粋な心を利用してお金をもうけようとしている人たちがいます。そういった人たちに皆さん、負けないでください。
すぐに人を信用せずに、常に物事を冷静に判断する心を持ちましょう。
今日は少し重いお話になりましたが、ピンクリボン運動をきっかけに、患者さん同士が、また患者さんの家族同士や医療関係者たちが知らないうちに、インターネット上で憎しみあってしまうような状況があってはならないと想いましたので自分の思いを書きました。
みなさん、お互いをもっともっと大事にしましょうね。