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  • 予防的卵巣切除

    2009年2月11日

    最近は予防に関する報告が多いですね。

    乳がん検診を受けることも重要であり、乳がんの発症を予防することも重要です。

    ただし、果たして身体にメスを入れるような予防治療が本当に良いのかどうか。

    これは、とても難しい問題です。

    「”BRCA1あるいはBRCA2遺伝子変異をもつ女性に対する予防的卵巣切除は勧められるか。”

    推奨グレードC
    エビデンスは十分と言えないので日常診療で実践する際には十分な注意を要する。

    BRCA1あるいはBRCA2遺伝子変異をもつ女性の生涯の乳がん発病率は約80%と高率である。

    よって、BRCA1あるいはBRCA2遺伝子変異のあることがあきらかとなった女性に対する有効な予防治療の確立は重要な課題である。

    乳がんは乳房内の上皮細胞が女性ホルモンの強い影響を受け癌化するため、外科的ホルモン療法である予防的両側卵巣切除についての有用性の検討が必要である。


    両側予防的卵巣切除(bilateral prophylactic oophorectomy; BPO)の効果に関する報告として、非ランダム化試験を2件、症例対照研究を1件選択した。

    BRCA1もしくはBRCA2遺伝子変異を有する女性551人を非無作為に両側卵巣切除群259人と非切除群292人に分けて前向きに最低8年間観察した結果、BPOによる乳がん発病率の減少は53%であった。

    同様に、BRCA1あるいはBRCA2遺伝子変異を有する35歳以上の女性170人を切除群と温存群に分けて追跡、約2年間の観察期間であるが、乳がん発病率は75%減少した。

    症例対照研究では、BRCA1キャリアの乳がん発病危険率は56%に減少し、BRCA2キャリアでは46%に減少した。

    以上より、BPOは乳がん発病リスクを減少させるという一貫性が見られた。(エビデンスレベル2あるいは3)・・・(エビデンスレベル1が最も信頼性が高い)

    しかし、BPOが生命予後に及ぼす影響については、該当する報告が無く不明である。

    従って、日本の現状では確立されていない点が多く、日常診療で勧めるだけの根拠が不十分である。

    しかし、対象者にBPOという予防措置を行うことは、現行の乳がん検診に比べ発病前の処置を行うことでより効果的に乳がん死亡を減少させると思われ、今後施行に向けての臨床試験等を早急に実施することが必要である。

    乳癌診療ガイドライン 疫学・予防 2008より抜粋引用」



    今日、このブログは1歳を迎えます (^_^)v

    みなさまの応援のおかげさまで頑張って来られました。

    本当にありがとうございます。


    病気全般にあてはまりますが、特に乳がんに関しては常にドクターも勉強し、最新情報を入手して実践していかないと、患者様方に不利益がおきます。

    私は皆様と共に確かな情報を共有し、ともに勉強する事によって、今後の正しい治療方針に向かっていけるようにお手伝いをさせていただいてます。

    これからも引き続きまじめに、そして元気に診療にあたり、またご質問にお答えして、皆様がにっこりできますように励んでまいります。


    すべての患者様、御家族がみんな笑顔になれる日を夢見て・・・。


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