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  • 短期全乳房照射の問題点

    2008年10月19日

    乳房温存術後に早くおわらせる放射線治療である短期全乳房照射の問題点について考えます。

    獨協医科大学越谷病院 放射線科教授 野崎美和子先生の、横浜乳がんシンポジウムにおける、御講演内容から引用いたします。

    「短期全乳房照射の問題点とは、

    1.一回照射線量が増加することによって遅発性有害事象(6ヶ月から数年経過してから発生する副作用)のリスクが増加する可能性がある。

    2.長期生存例に対する遅発性有害事象の観察が必要である。

    3.海外でのデータでは有効性が認められているが、日本女性でも同様な結果が得られるのかの検討がされていない。

    4.日本女性と外国女性における放射線治療の有害事象の発生率が一緒なのか不明。」


    結局は日本では、このような利点や問題点をご説明してそれぞれ患者様のご希望に合わせて治療方法を設定していく必要があります。


    昨日の乳がん学校は、非常に緊張してとってもお疲れ気味になってしまいました。

    やはりポイントはロールプレイによる癌告知のトレーニングでした。

    トップバッターがドクター役の私と、患者さん役が千葉大学看護学部附属看護実践研究指導センターの阿部恭子先生、患者さんの夫役が横浜市立大学付属病院乳腺外科 千島隆司先生でした。

    たくさんの人が見ている中で、普段行っている診療スタイルをチェックされることは、とても大事なことではありますが、とても手に汗にぎる感じでした。

    なんと言っても、阿部先生が患者様になりきり、
    「もうだめなんですか。」
    「末期なんですか。」
    「子供たちがいるから入院したくない。」

    と次々と私に質問をして来られたのには少し動揺しました。

    一番困ったのが、夫役の千島先生の迫真の演技でした。

    「先生、本当に乳がんなんですか。じゃあ、手術でしっかりとってしまえば、大丈夫でしょ。なあ、手術でとれば大丈夫ってテレビで言ってたよな。」
    と奥様役の阿部先生と絶妙なコンビネーションで、私の目を白黒させてくださいました。

    でも、私は動じていないふりで、「いつものように。」と自分に言い聞かせながら、対話を続けていきました。

    どのように患者さんの気持ちを治療に向けてさしあげられるか、いつもの外来のように患者さんの立場にたって、今困っていること、心配なことを順々にお聞きすることによって、患者さんの阿部先生は治療を受けてくれることになりました。よかった(^_^;)

    実際の外来でも同じ風景が繰り広げられているとは言え、普段行っている診療を多くの人々に披露し、評価していただくのは非常に勉強になります。

    そうは言ってもなんだかいっぱいエネルギーを使ってしまいました。

    もっとたくさんのドクターがこのような研修を受けてくれるといいな、と思いました。

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